会社に入ってからは、目標を見失ってきている。
目標を失うのに相当な経験をしたのだろう。
自分の技術的な考え、疑問なんてもうとっくに考えられていて、
先輩はすでにその先を行っている。自分は何をしたらよいか。
自分のすることは全て後追いで価値を生み出す仕事になってないのではないか。
それならば価値を生む仕事ができるように、勉強しなければならない。
でも、勉強は仕事ではない。
ならば今「仕事」としてやるべきことは先輩の実験の手伝いなのだろうか?
そう考えると自分の目標がだんだんと希薄なものに感じられてくる。
学ぶことは多いが、でも仕事は同じルーチンワークしかしていない気もする。
それに伴い日々の暮らしも淡々としたものになった。
実際、一日前程度のことですら憶えていられるのが
難しくなったと感じている(単調で同じ暮らしなので)。
自分は老けたなと思う。
日記をノートに書くことにした。
日々の簡単な生活のなかにも、ささいなことについての自分の考えが
わからなくなっているから、
それを書き留めなければと強く思うようになった。
三日坊主になりやすいので、目標は
「とりあえず簡単にでもいいから毎日すこしずつ日記を書く」ことだ。
そんな日記の一部分がこれだ。基本的にいつも同じことを書いている。
11/15(土)
ひさびさに研究室を訪れた。相変わらずの不夜城っぷりだ。
土曜日でも来て実験しているときに、
よく自分のために時間を割いてくれたものだとおもった。
といっても、ただ話をしに行っただけなのだが。
みんな、自分がいなくなって少しさびしくなった、
みたいなことを言ってくれて、うれしい気もしたが、
なんだか自分もさびしくなった。
自分がいた「あの頃」は楽しかったが時間はもう戻らない。
当たり前だが、あの時と同じ条件で同じようなことは
もはや2度とできるわけはないのだ。
もし自分が会社をやめてDr.になろうと研究室に戻っても、
多分幸せには暮らせないのだなあと思ったりする。
かといって今が幸せかと聞かれると、そうでもない、
と答えてしまいそうだ。
ふいに、自分だけが成長せずに、
前に進まずに取り残されたような気分になってしまう。
……

