2008年12月17日

機械をつくる機械について(その5)

論理的に「自己再製機能」を持つ機械が作れることを、フォン・ノイマンは証明した。
情報学と言う観点から見た、生命の定義は次の通りだ。

・自分自身の記述、すなわち自己の青写真を自己の中に持っていること。

・その記述から自分自身を作り出す、万能建設機の機能を持っていること。

・「青写真の青写真」のように、無限のパラドックスに陥らないよう、
 自身の記述には、二重の意味を持たせること。
 すなわち、万能建設機の設計図としての「命令文」と
 ただの記号の並びとしての「情報」。

・万能建設機の設計図をただの情報の並びとしての「情報」と認識するための
 切り替え(スイッチ)を行う監督機能を持っていること。




ノイマンが証明した「自己再製機能」を持つ機械は、工業分野でも重要はあった。

すなわち、工場は自身と同一の工場を作れるのか?という問題に対して。

しかし、それ以外の分野、生物学分野の「生命」の定義としても重要であった。

通常われわれが認識している「生命」は上記のような「自己再生機能」を持つ。

生命とよばれるものは「細胞」という遺伝子の乗り物でできている。

それが自然に(偶然に)できたのか、なんらかの意志からつくられたかなどというのは、

この文章の中では言うつもりもない。

(べつに自分の専門分野ではないから、これらの文章は無責任な発言にも聞こえるかも

しれない。専門ではないからこそ、気をつけて発言をしなければならない)

細胞は分裂し、自身と同一のコピーを作り出す。

細胞内には自己の完全な青写真をはじめ、監督機能、万能建設機の記述がある。

また、生物個体の「死亡」「死んでいる状態」と細胞の「死んでいる状態」は

あきらかに意味が違うように思う。

死んだばかりの動物には、まだ自己再生機能を持つ「生きた細胞」があるだろう。

死んだ直後でも、同じ細胞を持つ生物個体(クローン)は作ることができるのであろう。

「生命を持つモノ」が「もたないモノ」に変わるのは、自己再生機能を失った時であり、

それは我々の一般的な「死亡」のイメージとは異なる。



先の「生命」の定義では、ウイルスはそれ単独では「生命」ではないが、

宿主に寄生し自己増殖できる環境になったとき、生命といえる存在となる。

半生命とよばれたりするような存在だ。






コンウェイは「ライフゲイム」と呼ばれる世界の中に、この自己再生機能をもつものが
存在することを証明した。

「グライダー銃」を利用することで、あるパターンは自己再生機能をもつようになるのだ。

「ライフゲイム」の世界は、今われわれの複雑な世界よりも、もっと単純な法則で縛られた世界である。

ウィキペディア「ライフゲーム
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%95%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0


そのルールは単純で
1、世界は格子状であり、二次元である。
2、格子の穴ひとつひとつ(セル)に二つの状態(生、死)がある。
3、周りの状態でその中心のセルは誕生するか、
  死亡するか状態を維持するかが決まる(略)。


そんな簡単なルールの世界にはいろいろなパターンが存在する。(略)

その中に、そのパターンのひとつ、「グライダー銃」を利用して、

チューリング機械である万能建設機を設計することができる。

グライダー銃を組み合わせて、新たな別のグライダー銃を作製することができる。

また、
グライダー銃を組み合わせてANDゲート、ORゲート、NOTゲートを設計することができる。

また、
グライダーをbitとみなし、それらとゲートを組み合わせて、「レジスター」を設計できる。

これらから、万能建設機(チューリングマシン)を作り出し、

また、それとは別にスイッチ機能を持つ監督機もつくり出すことができる。


ただし、これらの万能建設機、レジスター、監督機のパターンは相当「大きな」場所を必要とする。

すくなくとも数百万セルほどないと、これらは入らないらしい。


ライフゲイムという名はもともと、

潮の干満のような変化が生物の成長と衰退を模倣しているところからついた。

しかし、実際よくみてみると、その宇宙のなかで「生命」とよばれるものが存在できるのがわかった。

怪我の功名というか、本当の意味での「ライフゲイム」だったのだ。



(参考:「ライフゲイムの宇宙」)
posted by フェイサン at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 機械をつくる機械について。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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