2009年03月09日

なにかが変わる「行動分析学」

この世は、


思った通りになるのだそうで。


思った通りにはならないよと


思っている人が、


思った通りにならなかった場合、


思った通りになっているので、


やっぱりそれは、


思った通りになっているのだそうで。


尾田栄一郎 

(OnePiece 三十二巻 ”島の歌声(ラブ・ソング)”表紙より)




最近よんだ本のなかに、「行動分析学マネジメント」

(舞田竜宣、杉山尚子著、日本経済新聞出版社)というものがある。

行動分析学とは、簡単に言えば、

人間を含めた動物行動に法則性を見つけて、それを日々の暮らしの改善

に応用しようとするものだ。

創始者はスキナーという学者らしい。

行動に関する有名な実験の例では、パブロフの条件反射の実験などがある。



行動分析学の観点からみれば、

人間の(常識から考えて)変な行動

「なぜこのひとは自分に対してこんなこと(嫌なこと)をするのか」

「なんでこの人は悪くないのに謝ってばかりいるのか」

「なんで自分はおもったこととは逆の行動をとるのか」

「なんでこの会社(の人間)はこういうことしかしないのか」

「なんでこの人はされるがままで何にもしないのか」

などといったことについて、理解することができるはずだ。
(指示語が多い…。)


そして、その背景にある原因を理解し、変えることによって

人の行動をいい意味で変えることができる。


この本は会社の組織と個人を変えるために書かれた本である。

人の行動原理を体系的に理解させ、

一人一人が活動的になる組織とはどういうものか、

その方法とはなにかを説明している。




実に当たり前な事を「分析」して表現しているだけだ。

しかし、それを続けることで大事なことがわかってくる。

簡単な例では、たとえば、




今日は月曜日。

もうそろそろ起きなくちゃならない。

眠いけどもう時間だ。

布団から出て、一階におりた。

お母さん朝ごはんを作っている。

お父さん新聞を読んでいる。

皆に「おはよう」と挨拶をする。(行動)

皆が「おはよう」と返してくれた。(好子の出現)。

…今日はいつもより少し早い。

今日は日直だから早めにいかなくては。

僕は卵かけご飯とみそ汁を平らげ、はやばやと家を出た。






なんて感じに。

なんてことのないが、とても貴重な時間のひとつだ。

これを行動分析学では、

挨拶をすることについて、好子出現の強化というらしい。


もうひとつの例。


Aさん「最近あの店にいってる?」

Bさん「行ってないよ」

Aさん「なんで?」

Bさん「だって、この前行ったら感じわるい店員がいてさ、

    『あっちのほうが時間もかかんないいんで

     おすすめなんすけど、本当に(×2)こちらでいいすか?』

    なんて聞かれてさ、しつこいんだもの。

    これをつくるのがめんどいっていうのがばればれだし。

    もう行くのも嫌になって。」

Aさん「ふーん。」



…これはその道の言葉で「嫌子出現の弱化」が起きている。

「『これ』を頼む」という行動をすることで

「店員がめんどくさそうに対応する」という自分にとっての嫌子が出現する。

今後は「これ」を頼むことは億劫になるだろう。

さらに、「あの店」に行かなくなることもあるだろう。

行動が弱化されている。






好子とか嫌子といった言葉は行動分析学における専門語だ。

定義などを詳しく紹介するとなにかとまずそうなので控えておく。

でもすぐに載せるだろう。



行動分析学には4つの基本原理がある。
「好子出現の強化」「好子消失の弱化」
「嫌子出現の弱化」「嫌子消失の強化」


人の行動は基本的にこの4つでだいたい決まる。

人は、(どんな小さいことでも)

何か行動を起こして「いい状況」になったらそれを繰り返す。

ならなければ次第に行動しなくなる。

悪い状況があるときに、何か行動を起こして、

それが解消されればそれを繰り返す。

解消されなければだんだん行動しなくなる。

これで結構な場合の行動について、理解できる。




重要な概念のひとつに「学習性の無気力」がある。


人は(人に限らずだが)、何か嫌な状況におかれているとき、

自分で自分の力でその状況を解消することができなかったら、

そのとき実施した行動は次第にされなくなる。

それだけではなく他の状況に対しても学習し、解決していく力を失う。

そんな状況を「学習性の無気力」という。






本のまえがき・序章より

そもそも人は、普段の生活においても、

さまざまな異なる面をもちながら生きています。

…同じ人間が、時と場合でまったく異なる振る舞いをする。

真逆なことをすることをすらある。なぜ、そういうことが起きるのか。

その理由と原理を科学的につかむことができれば、

今度は意識的に自他の行動を望ましい方向へと制御することもできる。

これが行動理論の考え方です。



…満足な仕事をしないことの原因は、

「やる気がない」ことだと考える。

それでは、なぜその部下が「やる気のないやつ」だとわかるのだろう。


…「やる気のなさ」というのは、

「満足な仕事をしない」ことの言い換えにすぎない。

やる気というのは、

その人の行動につけられたレッテルなのであって、

行動の原因ではないのである。
posted by フェイサン at 01:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 哲学と生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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